少しざらっとした肌触りを残しているが、むしろどこかひっかかるものが微妙な心地良さを引き出しているような、そんな味わいが好き。ひたすら気持ちいいだけを追求したような作り方もできるけれど、それではきっと満足しない。音楽に限らずだが、出来上がったものだけでなく作る過程がうかがい知れるような、そういうものにより心惹かれる。
選曲したリストを眺めてそんなことを考えた。9曲目、Azekelの「Good Wine」もきっとそんなことを歌っているのではなかろうかと頭をよぎったからだ。この優しさに満ちた曲は今回のハイライトの一つでもある。 さて、Gino Vannelliが新譜を出した。僕は1998年の「Slow Love」以来ご無沙汰であったのだが、変わっていない。で、いい。この声の存在感がいささかも衰えていないことに驚く。 バックで鳴っている生楽器がまた贅沢だ。大袈裟に言うと、ここで聴くことのできる音は、それぞれの楽器の名手が、名手と言われるようになるまでに費やした膨大な時間の縮図なのだ。Gino Vannelli本人もしかり。「味わう」とはこういうことを言うのだなと、素直に感激してしまう。
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March 2022
AuthorI am enjoying music with PowerBeats Pro and JBL SoundGear. Categories |